「Edgecrossワーキング通信」バックナンバー

「Edgecrossワーキング通信」に掲載したコラムのバックナンバーを紹介しています。

お客様への提案から見えてきたカーボンニュートラルの取り組み3ステップとは?

★件名★
お客様への提案から見えてきたカーボンニュートラルの取り組み3ステップとは?

★本文★
カーボンニュートラルへの具体的な取り組3ステップをご紹介
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                           Edgecrossコンソーシアム
                      株式会社シムックスイニシアティブ
                                 営業企画部
                                 木村 基志
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Edgecrossコンソーシアムでは「ユーザの皆様へのスマート工場ソリューション提案」
に向けてワーキンググループを設置、活動しています。
Edgecrossワーキング通信ではワーキングメンバーからの情報発信を行ってまいります。
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テーマ別ワーキングでは3つのテーマとその解決について、参加頂いている
Edgecross会員メンバーにおいて活発なディスカッションがなされています。

本メールでは、私たちシムックスイニシアティブがお客様へDX化、
カーボンニュートラルのサービスをご提案するにあたり、よく聞くお悩みに対して
どのようなご提案をしているかということを記載させていただきます。
皆様の現場のDX化、カーボンニュートラルの取組への参考になると幸いです。


■当社ご紹介
株式会社シムックスイニシアティブは、工場現場のネットワーク化のための
システム開発会社として1988年に創立しました。
以降30年間、工作機械をはじめ、ビル管理、変電所システム等、様々な設備と接続し、
データ収集、見える化、制御を実現してきました。
これらのノウハウを元に、現在はDX、IoT事業、カーボンニュートラル事業を中心に
推進中です。
当社の強みとしてサービスの開発、運用といった技術領域はもちろんのこと、
事業・サービス企画から現場作業を含むエンジニアリングサービスまでDX、
IoTにかかわるサービスをワンストップでご提供することが可能です。


■自己紹介
新卒ではモバイルコンテンツ(いわゆるガラケー)のコンテンツ制作会社に入社をし、
企画、制作を担当しておりました。
その後、エンターテインメント企業におけるプロデューサー経験を約5年ほどさせて
いただきました。
ITでのエンターテインメント系コンテンツ制作一筋でございましたが、自分の経験が
他の業界ではどのように生かせるのか、新しい知識を取り入れたいと考え、
今後盛り上がるであろうDX、カーボンニュートラルを取り組んでいる
シムックスイニシアティブへ入社をし、現在へ至ります。



■よくあるお客様の声
当社では昨今の時流もありまして、お客様への工場DX、カーボンニュートラルへの
ご提案をする機会が多々ございます。
その中で、お客様からよく聞く悩みとしてまず聞くのは、

「何から始めていいのかわからない」

という言葉です。
DX、カーボンニュートラルへ取り組んでいかなければいけないことはわかっているが、
具体的に何を、どのように、どの優先順位で取り組んでいけばいいのかお困りの
お客様が多数いらっしゃいます。
他の会社さまからご提案を受けたとしても、果たしてそれが自分たちの会社にとって
適切なのか、また提案された費用が想定よりも高額であり、それを社内にどのように
説明をすればよいのか等、お困りの声を多数いただいております。
実際に太陽光、蓄電池、設備の置き換えなど、カーボンニュートラルへ効果が期待される
ものは、投資額も高く、いきなりすべてを実施するにはハードルが高いと考えられます。



■当社のご提案アプローチ
工場DX、カーボンニュートラルへの取組は様々なアプローチがございますが、
当社が進めているのはいきなりすべてを導入するのではなく、ステップを踏みながら
お客様の環境にあった適切な工場DX、カーボンニュートラルを進めていただくことです。
当社ではお客様環境についてヒアリング、現地調査等を行い、お客様環境にあった
提案を全て個別で実施をしております。


●カーボンニュートラルに向けた3ステップ
①建物全体の電力見える化
建物全体の電力が、いつ、どの時間帯に消費されているかを可視化します。
・フロアごと、電灯、空調などの系統別で分けて画面にリアルタイム表示可能。
・基本契約料金に関わるデマンド値については、リアルタイムでの予測表示、
アラート機能もあり、デマンド超過を防ぐことが可能。

②空調抑制によるCO2抑制
電力消費に大きな影響を与える空調設備について、自動制御による抑制を
ご提案をしております。
電力制御に必要となる情報をセンサーを活用して収集。気象予報とも連動して、
空調を自動制御をすることで、「デマンド抑制」、「電力使用量」の削減を実現し、
CO2排出量削減を行います。

③追加抑制策提案
上記を実施し、まずは電力消費を実際に抑えることが出来るという実績をお客様に
ご提供し、その上で追加提案をしております。

・太陽光・蓄電池の創エネ導入の提案
・コンプレッサー、ボイラー等の高CO2排出設備のロス発見、設備改善のご提案
・クリーンエネルギー調達の提案 など

特に②の空調制御については、現在当社が非常に注力をしております。
背景としまして、昨今の電力料金の高騰により、直近の夏、冬の電力料金を具体的に
下げる方法として、多くのお客さまよりお問い合わせを頂いております。



●工場DX(製造)の3ステップ
①簡易的な生産性(実績)の見える化
「稼動の見える化」、「生産数の見える化」を導入し、
機械ごとの稼動率と生産数から、生産性を見える化します。

②生産性予実分析
生産システム等や検査工程などから追加情報を収集し、予実分析を行います。
・検査工程におけるカウンタ情報、重量などを元にした「良品」、「不良品数」の計測
・生産管理システムと連携した計画情報の収集
・台帳などから最大生産能力の登録による能力比生産性の把握

③生産性向上提案
上記を実施することにより、お客様の現状を適切に把握することができます。
そのあと、当社よりお客様個別の生産性向上提案を実施させていただいております。
[生産性の掘り下げ]
・製番やロット番号別の生産性評価
・工程間の順序も含めた生産性評価

[生産性向上のための要因分析]
・異常検出による稼働率低下要因の抽出
・製造L/T分析による工程間のロスの抽出



●工場DX(省エネルギー)の3ステップ
①大まかな電力計測による実態把握
「電力の見える化」により、各設備の電力消費量を把握します。
・既設設備、デマンド監視装置を敷設したデマンドモニタリング
・分電盤の主幹を中心とした大まかな電力把握
 (空調、コンプレッサーなどのユーティリティ)

②生産設備の計測による生産寄与電力との仕訳
工作機械の主幹と加工電源を収集し、「稼動の見える化」と組み合わせ、
工場の電力使用と生産稼動との関連性を分析します。
・加工電源の計測をベースとした稼動時間の計測
・工作機械主幹電源の計測をベースとした生産機械の使用電力量の計測

③追加抑制策提案
上記を実施することにより、お客様の現状を適切に把握することができます。
そのあと、当社よりお客様個別の生産性向上提案を実施させていただいております。
・デマンドと連携した空調抑制システムのご提案
・太陽光・蓄電池を組合わせた省CO2システムのご提案
・高CO2使用設備の電化などの省CO2ご提案
・生産性向上(待機電力抑制)を目的としたシェイプアップのご提案 など


●当社はEdgecrossコンソーシアムの会員であり、
Edgecrossに対応したIEEE1888ゲートウェイを利用した計測実績が多数ございます。
下記のURLでは事例として東京大学キャンパスにおける
「Edgecrossを活用した電力の見える化システム」の構築事例を
ご紹介させていただいております。
ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=krztMk-pjA4


エネルギーマネージメントによる効率化
クラウドを活用したビル(設備)・生産設備の効率化、分析を実現
https://www.edgecross.org/ja/solution/kadai/kadai03.html#e-3

■工場DX、カーボンニュートラルへの取組として大事なこと
製造現場はお客様によって千差万別です。
それを一概に一律のサービスをご提案をしても、
お客様にとって本当によいサービスであるということは非常に難しいかと考えます。
また管理部門と製造部門、それぞれの方々の意見もあり、DX化、カーボンニュートラルを
進めるにあたり、自分たちのやり方が変わってしまうことへの戸惑い、不安の声も
多数いただきます。
私が考えるに、2022年現在では、時間とコストはかかってしまいますが、そのような声に
対して一つ一つ丁寧にヒアリング、お客様それぞれのご提案をすることが
必要不可欠でして、それに答えられる企業は、まだ多くはないと感じています。


当社は30年間にわたり、メーカー問わず、あらゆる工作機械からデータを
取得してきました。
そのノウハウを最大限生かし、お客様環境に寄り添ったご提案をすることが
可能です。
シムックスイニシアティブはEdgecrossコンソーシアムと連携をしながら
お客様環境のDX化、カーボンニュートラル実現に向けて、
最初から最後までお客様のパートナーとしてご協力をさせていただきます。


本メールのソリューションや内容についてのご意見については、
下記URLの「お問い合わせ」よりご連絡ください。

【エネルギーマネージメントによる効率化】
クラウドを活用したビル(設備)・生産設備の効率化、分析を実現
https://www.edgecross.org/ja/solution/kadai/kadai03.html#e-3

━ Edgecross Consortium Information ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 一般社団法人Edgecrossコンソーシアム:https://www.edgecross.org/
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日本の製造業が最も「デジタル」の恩恵が受けられる?
FA・ロボットSIerから見る、よくある課題と解決の方向性

★件名★
日本の製造業が最も「デジタル」の恩恵が受けられる?FA・ロボットSIerから見る、よくある課題と解決の方向性【Edgecrossワーキング通信】

★本文★
Edgecrossコンソーシアムでは「ユーザの皆様へのスマート工場ソリューション提案」
に向けてワーキンググループを設置、活動しています。Edgecrossワーキング通信では
ワーキングメンバーからの情報発信を行ってまいります。
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                           Edgecrossコンソーシアム
                              SIパートナー会員
                    株式会社FAプロダクツ(Team Cross FA)
                         Relationship Development部
                                  高見 守
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各ワーキンググループでは各テーマに基づいて、様々なソリューションや背景をもった
Edgecross会員メンバーにおいて活発なディスカッションがなされています。

本メールでは、ロボット導入を含めた工場の自動化やデータ活用を、企画から実装まで
担う「FA・ロボットSIer」でもあり、EdgecrossコンソーシアムのSIパートナー会員でも
ある私の立場から、よくご相談いただく課題とその解決例をご紹介させていただきます。
「FA・ロボットSIerって何?」という方はこちらをご覧ください。
(Edgecrossコンソーシアムとは直接関係はございません)

▼ものづくり太郎チャンネル 「ロボットSIer」のお仕事を紹介します!
https://www.youtube.com/watch?v=3xP3SNdppCU

▼ロボット活用ナビ
 『ロボットに命を吹き込む仕事。』ロボットシステムインテグレータとは。
https://www.youtube.com/watch?v=d7zGEnXW6y0&t=195s

■簡単に自己紹介
新卒でキーエンスという、色々な噂が絶えないFA機器メーカーに入社し、
自動車・電気機器・電子部品・半導体といった自動化が進んでいるといわれる業界から、
食品、薬品、化粧品など、多くの部分を人手に頼る業界まで幅広く現場に入り込み、
提案型の技術営業を続けておりました。
数えてみると見てきた現場は、延べ5000以上になっていると思われ、その経験が今の糧に
なっております。
その後、縁があって当時の先輩(現:FAプロダクツ会長 天野眞也)が創業した会社に
入社、FA専門紙「オートメーション新聞」の立ち上げを経て、現職に至ります。
今はFA・ロボットSIerの立場から、Edgecrossコンソーシアムの活動に参加、
各ワーキンググループにも参加させていただいております。

■よくある顧客課題(FA・ロボットSIerへの引き合い)
弊社に限らずだと思いますが、生産現場を持たれるお客様から頂く課題は
大きく2つに集約されます。

1:省人化したい
→現場作業者が、必要な人数だけ集まらない。すぐ退職してしまうため採用が大変
2:変種変量生産(多品種少量生産)に対応したい
→段取りが多くなり生産性が悪くなった、段取り替えなどに伴うミスが多発


他にも「CO2削減」「生産能力向上」「リードタイム短縮」などの課題もいただくものの、
圧倒的にこの2つの課題に悩まれている担当者様が多いという印象です。
これは、製造業のみならず、物流業などを含めて共通の課題だと思われ、特に国内に
おいては先が見えない世の中において「省人化」「変種変量生産」へのニーズは
加速する一方です。

■よく言われる言葉
ご相談いただく際、よく言われる言葉もあります。

・〇〇の工程でロボット導入したい
・現場をデジタル化したい

もちろん、そのままご要望を伺い、仕様確認、お見積りから企画・設計・実装に進む
ケースもありますが、そのままお客様のご要望に沿って進めるのが最適かというと、
そうではないケースも多々あるのが実情です。
実際に現場を拝見すると、ロボットを導入せずに設備と人の配置を変えるだけでロスが
なくなり省人化につながったり、生産計画を最適化するだけで生産性が向上したりする
ケースも多いです。

特に自動化やシステム導入に慣れていらっしゃらないお客様の場合は、その傾向が強い
印象です。どうしても特定の現場の声や、忙しそうな工程に目が行ってしまうのです。
表面化している「〇〇工程の自動化」の前に、本当にその工程を改善するのが効率的
なのか、他に改善ポイントが無いかを洗い出し、その上で自動化設備を導入するのが
ベストな流れだと感じます。
そのために活用すべきなのが「デジタル」の力だと考えています。

■製造業だから効くデジタル活用
では、なぜここまで「デジタル」に私がこだわるのかを、身の回りの事象に例えて
説明します。
例えば車や電車で移動する時に、紙の地図や時刻表を見ながらルートを決める方は今では
皆無では無いでしょうか?例えばたった2回程度の乗り換えでさえ、私はスマートフォン
のアプリが無いと不安になってしまいます。乗り換え案内アプリがあれば、ルートは
おろか、到着時間、電車の遅延までわかり、う回路まで提案してくれます。
デジタルデータ化された路線図・時刻表を基に、アプリが条件にあわせた最適値を
導き出してくれるのです。
これを工場に置き換えるとどうでしょうか?生産品目にもよりますが、工程が2つ以下
という工場は少ないと思います、場合によっては数十、数百、しかも製品数を掛け算
するととんでもない組み合わせになるのではないでしょうか?本来は電車の乗り換えの
比ではない組み合わせから最適値を導いて運用しないといけないのが工場なのに、
それを経験に頼ってしまっているのが多くの工場になります。
電車の乗り換えだったら、少し前に出発すれば最適なルートと自分で考えたルートで、
移動時間に10%の差があったとしてもそれほど問題にはならないと思いますが、工場で
10%の生産性が違うとなるとこれは大ごとです。
多くの工場ではこれを怠ってしまっているのが実態です。

■デジタル活用の実態
「IoTを導入している」とおっしゃる工場の率は、あらゆる統計を見ても増えています。
そして、日本は「データの蓄積」は他国に比べて進んでいるとも言われています。
しかし、データ蓄積の実態は「見える化」でとまっていて、実際の改善につなげられ
ているケースはそう多くはありません。見える化を実施したあとで、そのデータを基に
改善して、初めて省人化や変種変量生産への対応が実現できるのです。AIが発達して
きているとはいえ、改善ポイントまではっきり明示してくれるツールはまだ無いと
いっても過言ではありません。
デジタルデータをわかりやすい状態で示し、“人”がそこから改善ポイントの仮説を
たて、現場実証し、生産性があがって初めてデータ活用ができたと言えます。
そして日本のものづくりの強みはこの“人”にあると言われています。
Edgecrossは異なるメーカーの機器やソフトウェアのデータ統合に際し、
ユーザにとってもSIerにとっても非常に便利なツールと言えます。
日本が持つ“人”の資産と蓄積したデジタル資産、そしてEdgecrossの様な
メーカー横断で活用できるプラットフォームを活用することが今後日本の製造業が
生き残る道だと確信しています。

■見える化のその先
見える化を行い、改善ポイントを見つけられると、シミュレーションなどにより、
投資対効果が高い工程の洗い出しが可能となるばかりか、投資後の次のボトルネックの
推測など未来の予測が可能となります。省人化が目的であれば、「いつ」「どこに」
「いくら」投資すればどれぐらいの省人化が実現可能かわかります。
変種変量生産対応が目的であれば、「どの工程が自動化に向いているか」
「(生産順や工程順など)どの順番が最適か」などがわかります。
FA・ロボットSIerという立場からいうと、デジタルデータ活用などではなく、
とにかくどんどん自動化していただいたほうが仕事は増えるはずというのが
正直なところです。
しかし、やみくもに自動化投資して意味がない設備が増えるよりも、費用対効果が
高いところに積極的な自動化投資をしていただき、その利益で次の自動化を強力に
進めていただいた方が、工場経営者、ロボットSIer、FA機器メーカー、ソフトウェア
ベンダー共に健全な発展ができると考えています。

幸い日本にはEdgecrossコンソーシアムがあり、多くの優れたソリューションベンダーが
集まっています。
私たちの様なロボットSIerもそのソシューションを活用し、多くの成功事例を作り始めて
います。
事例が知りたい、課題解決したいという方は、是非事務局や会員企業にご相談ください。


「リモートで工場全体・ラインの生産状況を把握し、効率的な監視を実現」
お客様の現場にあわせて導入のご相談からシステム構築までサポート!
詳しくは下記URLをご覧ください。

 https://www.edgecross.org/ja/solution/kadai/kadai01.html#r-11

本メールのソリューションや内容についてのご意見については、
上記URLの「お問い合わせ」よりご連絡ください。

━ Edgecross Consortium Information ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 一般社団法人Edgecrossコンソーシアム:https://www.edgecross.org/
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